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 上高地 



【概要】


T所在地 長野県 
U訪問日時  平成25年01月31日 ( 木曜日 )
V天候 曇り後快晴、終日無風 
W標高  上高地 [≒1,500m ]
 X登下山コースと所要時間 釜トンネル入口(05:18)→≒4.4q→(06:46)大正池(07:10)→1.0q → (07:44)田代池(10:23)→2.5q →(11:30)河童橋(12:00)→≒6.3q → (13:56)釜トンネル入口
* 上記ルート図 
 * 表示距離についての注記
 Yその他 《1》歩行スタイル〜ツボ足……訪れる人が多いいようで雪道は踏み固められていて、すべることも、踏み抜くこともなかったので、アイゼンもスノーシューも履かずに済んだ。何度もここを訪れた人も二度目以降はツボ足で大丈夫だったと話していた。
 《2》標高差〜≒175m
 《3》日程〜日帰り
 《4》同行者〜単独


【詳細】


 白銀の穂高のモルゲンロートが見たかった。あわよくばダイヤモンドダストと霧氷も。
 問題は天気だ。
 中の湯温泉旅館の方に教えてもらったところ、上高地は飛騨高山の予報が当たる確立が高いこと、そしてBiglobeの山の天気予報に上高地がある、ことを教えてくれた。
 時々覗いていたが曇りとか雪の予報の日が多かった。29日に31日が全国的に晴れとの予報が出た。翌日の昼ごろまで予報の内容は変わらなかった。待ちに待った日が来たようだ。
 ルートインホテルズ松本インターを出たのは午前3時20分ごろだった。久しぶりに馴れない場所に泊まったせいか、あるいは夕飯に食い放題の焼肉を一杯たべてしまったせいか、良く眠れなかった。

 釜トンネルから河童橋まで歩くのは初めてだ。月明かりの下行く手左側に白と黒のまだら模様の焼岳が見える。もう少しで大正池の南端という距離のところで昇りの登山道は右折していた。そこで目の前に穂高連峰の一部が目に飛び込んできた。予期していなかっただけにこんなとこからもう見えるのだ、と驚くと同時に嬉しさがこみ上げてきた。
 池の淵に降り立ってみると水面には氷が張っているところと水の流れているところがあった。良く見ると水面からはモヤが立ち上っていた。両岸の落葉樹は全て氷をまとっていた。霧氷林だ。これだけの大規模の霧氷は生まれて初めて見た。その圧倒的な存在感と荘厳さに息を潜めてしまった。近くの木の枝を間近で見て見ると、5ミリ前後くらいの氷片が無数に付いている。枝をチョットとたたいてみるとその氷片がパラパラと落ちる。風が吹けばほとんどが散ってしまうに違いないくらいに脆いようだ。ここからも穂高、岳沢そして明神の全貌があますところなく鮮やかに見えた。だから河童橋ではなくここで穂高の夜明けを迎えることにした。そばのカメラマンの人がここがこれだけの見事な霧氷なのだから今日は田代池はもっとすごいはずだから、と薦めてくれたので、朝焼けを観賞後に田代池に足を向けた。池までの雪道の両側はほとんどが落葉樹で霧氷にくるまった立木はなんとも不思議な感じのする風景だった。
 小生は田代池を訪ねたあと、そのすぐ近くの、穂高連峰が一望できる、木々がほとんどない雪原の端で朝食をとった。そして小生の後から田代池に行った人達がみんな戻ってこないのだ。不思議に思い、たまたま近くを走っていた若くて、長身の人に理由がわかるか聞いてみた。ツアー客のガイドさんだという。足冷えを解消するために走っていたとのことなのだが、霧氷を撮影したいカメラマンにとってなぜ田代池がメッカなのかを親切に教えてくれた。田代池とその周囲の霧氷林の向こうにその山腹の針葉樹林が黒々としている山がある。朝日が稜線から顔を出すと、木々の霧氷がキラキラといっせいに輝き出し、しばらくするとその霧氷がハラハラと散りだして、モヤのたち始める池に落ちる。バックが暗いためにその幻想的な光景が鮮やかに見えるためイイ写真が撮れるから人気がある、というのだ。小生も見たくなったので待つことにした。朝日が差し出したのは9時56分ごろだった。一時間以上待った。この時には15,6人の人がいた。
 ガイドさんの話し通りだった。
キラキラキラキラと輝き出した。
 しばらくすると氷片がキラキラしながら散り始めた。
ダイヤモンドダストはこれに近いんだろうと一瞬思った。それはそれは魅力的なシーンだった。小生のデジカメではその繊細な光景の一部始終を記録することはできなかったが、瞼にはしっかりと焼き付けた。終生の思い出の一つとなった。

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   6時55分だった。西穂高周辺の峰々と吊り尾根の西端の二峰が金色に輝き始めた。5,6分のあっけないほどの短い時間ではあつた。はかないだけに、余計に美しいと思う。待ち焦がれた甲斐があった。

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 穂高の雄姿とモルゲンロート、厳つい焼岳やその他の峰々、そして巨大なスケールの樹氷林も見られた。だから田代池を後にしたときもう帰ろうかなとも思ったが、時間もまだ早かったし、せっかくここまで来たのだから河童橋まで行って見ることにした。 梓川沿いにその清流と対岸の春の息吹を感じさせる柳の新芽の赤っぽい色、そして穂高明神の峰々がすばらしかった。
 朝から河童橋で休憩していたときまではまだ薄い雲があちらこちらにあったのだが、帰りに県道の樹林帯を通って大正池の畔近くまで来て、振り返ってみたら、穂高の山上には雲ひとつなかった。上空も一点の雲もなく、その清澄な紺碧の美しさに見惚れた。そして何度も何度も立ち止まっては振り返りその荘厳で重厚な雄姿を見た。

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【写真記録】


 ☆☆ すべてみな美し   ☆☆ 


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