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鳥海山



【概要】


T所在地  山形県・秋田県 
U訪問日時  平成20年【2008年】10月17日(金曜日)
V天候 晴れ時々曇り 
W標高鳥海山〈 新山 〉  [ 2,236m ]
 X登下山コースと所要時間《象潟口コース》
鉾立(06:20)→1.9q→(07:25)賽ノ河原(07:25)→1.5q → (07:58)御浜小屋(07:59)→≒ 1.0q →(08:21)御田ケ原分岐(08:21)→≒0.7q→(08:52)七五三掛(しめかけ)(08:52)→〔 千蛇谷コース、≒1.9q ] → (11:19)山頂(11:24)→≒0.3q→(11:42)御室(11:57)→≒ 0.9q →(12:27)伏拝岳(12:28)→≒ 1.2q →(13:25)七五三掛(13:25)→≒ 1.0q →(14:19)御浜小屋(14:19)→≒ 3.4q →(15:44)鉾立
 * 上記ルート図
 * 表示距離についての注記
 Yその他 《1》登山口と山頂との標高差〜≒1,126m
 《2》日程〜日帰り[前夜泊;霊峰公園キャンプ場]
 《3》同行者〜同行者なし


【詳細】


 普段の生活では朝食はほとんどがバナナ2、3本と牛乳で済ましてしまう。午前中たいした肉体労働するわけでないからそれで事足りた。その延長線上で山へ行くときもこの程度の食事(?)だった。だが今回のみちのくの山旅はもう寒いから朝は暖かい食事をしようと、切り餅とキナコと焼き海苔を準備してみた。そして後生掛キャンプ場の朝から、焼いた4切れの切り餅に焼き海苔を巻きつけ、暖めた牛乳を飲みながら、食べ始めた。その後3、4粒の無臭ニンニクが定番として加わったのだが。そしてこのとき一緒に余分に牛乳を暖めステンレスポットに入れチーズとサラミソーセージと菓子パンと一緒に山上で昼食とした。山中での煮沸のためにバーナーとボンベを持参する必要がなくなりその分リュックが軽くなった。ただ寒い季節は非常用としてこれらの燃焼用器具は必要なので計画によっては持っていくつもりだ。
 気のせでもないと思うのだが、この後午前中の登山での疲労感みたいなものが感じられなくなったのは事実だ。
 山での朝食の自分なりのスタイルを見つけられたのが今回の山旅の収穫のひとつでもあった。

特に印象的だったのは千蛇沢と行者岳からの眺望だった。
最初の計画は七五三掛から外輪山コースを通って山頂へというものであった。ところが七五三掛の分岐から沢を覗き込んだら降りたくなり急降下の崖を鎖を頼りに降りてしまった。その結果千蛇沢をさかのぼって山頂をめざすことになった。すぐにカチカチに凍結した万年雪を渡って対岸へ行き、後はその沢沿いの岩場の道なき道をひたすら頂上目指して歩くことになった。右手から前方にかけて文殊岳、伏拝岳そして行者岳の断崖絶壁が高く連なり、左手前方には荒神ケ岳と新山 の急斜面の岩の塊が聳え立っている。谷底から見上げるその景観は圧倒的に重量感があり途上何度見上げても見飽きないものであった。
 そして今度は逆に山頂からの帰途行者岳付近から新山と千蛇沢とそして外輪山を見下ろすことになった。壮大な風景が脳裏に焼きついて忘れ得ないほどの圧巻だ。ただ声もなく呆然と見つめるだけでその場を去りがたく何度も何度も観た。
 
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 この北側の荒涼たる風景に目を奪われ続けてふと南側に目を転じてみると、ハイマツとササと草紅葉の雄大でたおやかな緩斜面が遠く下の方へ広がり薄もやに溶け込んでいた。北側とは違い豊かな生命感を感じさせてくれる。 
 外輪山コースの一角の伏拝岳に小さなお宮があった。
この場所の名前とこのお宮から勝手な想像をしてみた。わらじしかない時代、人々はわらじを何足も何足も履き替えて、そして足を岩で切り傷だらけにして参詣したのだろう。だが老人、婦女子にとってこれから先の山頂神社までの道のりは容易ではなかったであろうことが想像できる。そんな参詣者の身を憐れんで神社が本殿と一身同体のこのお宮を造営してあげたのではないだろうかと。
 こんな想像をしながら同時に、登山靴の恩恵について改めて再認識した。

 長い冬の眠りに入ろうとしていた鳥海山であったが、路傍のシャクナゲは花芽をつけ、すでに春の準備をしていた。


【写真記録】


☆☆  秋色の鳥海山  ☆☆


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