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越後駒ケ岳



【概要】


T所在地 新潟県  
U訪問日時  平成21年【2009年】11月 8日 ( 日曜日 )
V天候 薄日射す曇り、無風 
W標高 越後駒ケ岳   [  2,002.7m  ] 
 X登下山コースと所要時間 枝折峠(しおりとうげ)登山口(06:54)→1.2q→(07:26)明神峠(07:26)→3.3q → (09:01)小倉山(09:01)→ 2.0q →(09:50)百草の池(09:50)→≒1.0q→(11:35)駒の小屋(11:36)→0.7q→(12:04)山頂(12:08)→≒8.2q→(15:42)枝折峠登山口
 * 上記ルート図
 * 表示距離についての注記
 Yその他 《1》登山口と山頂との標高差〜≒937.7m
 《2》日程〜 日帰り[前夜泊;道の駅「ゆのたに」]
 《3》同行者〜 単独


【詳細】


 移動経路から越後三山を東西南北から眺めることができた。昨日、巻機山の下山後六日町から小出へ向かう夕方の車窓から見えた八海山のその山容の荒々しさは魅力的だった。今日下山後枝折峠から大塩温泉へ向かう352号線からはちょうど越後駒ケ岳を麓から見上げるような位置と角度になり、この山の巨大さ、重厚さ、重量感を思う存分味わうことができた。ただ惜しまれるのが道路がこの山の北側に東西に走っているため南に傾いた冬の日では見上げる北側斜面が逆光になってしまうことだった。だからこの山の全身に陽を浴びた姿を見られたという点でこの枝折峠登山口からの訪問は結果的に正解だったように思う。朝のうちは全身に朝陽を浴びて陰らしきものはほとんどなく新雪をいただいた越後駒ケ岳と中ノ岳はとても綺麗であった。心惹かれる見事さであった。あいにく時間がたつにつれだんだん薄曇りとなってしまったため山頂に近づくにつれ美しさも大分目減りしてしまったが相手が天気ではどうしようもない、とあきらめるほかなかった。
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 峠登山口の駐車場は越後駒ケ岳の尾根のひとつの明神尾根と国道352号線が交差したところにあった。だから、駐車場横の登山口からちょっと歩くと、長大な蛇行した尾根が途中にいくつかの小高い山や丘をかかえて少しずつ高度をあげながら頂に通じているのが大体わかった。ほとんどが潅木のため雪に埋もれた稜線上の道も上のほうには見えた。進むにつれそのルートがより明瞭になり、目で追いながらうわー、まだあんなにあるのか、などとちょっと滅入ったような弱気になったりもした。でも滝ハナ沢源頭から振り返って見下ろしてみると歩いてきた稜線が登山口近くの明神峠の小高い山までずーっと見渡せたときは、あんなに歩いてきたんだと目で確かめられ静かな喜びが起きた。そしてコースは尾根の稜線上歩きのためほとんどいつも前方に本山とそれに続く中ノ岳と兎岳、左手に雄大な悪沢岳を眺めながらのもので、樹林帯のなかの遊山とは違った。途中の小倉山という洒落た名前の頂をちょっと過ぎた頃左手後方の谷底から「ヒューィン、ヒューィン」という鹿の大きな鳴き声が聞こえてきた。この辺がテリトリーなのだろう。歩きながら小倉山という命名の由来を納得したような気がした。
 百草の池から雪交じりの泥道をあえぎあえぎやっとの思いで滝ハナ沢源頭に“たどり”着いた。相当にへばっていた。岩場に腰を下ろして梅5個とチーズ2個とレーズンを口に頬張り水で流し込んだ。時計は11時を回っていた。既に4時間がたっている。そして行く手を見上げると小屋や山頂はまだまだずいぶんと高いところにあるように思えた。この時期の落日はつるべ落としなので3時半には登山口に戻ることを原則としていた。この疲れた体で山頂まで行ってこの時間までに下山するのは相当ムリに思えた。もう帰ろう、また来る機会があるんだし、と心のなかで何度かささやいた。しかしせっかくここまで来たのにもったいないとも思った。天気も晴れてはいないが風もなくまずまずのコンディションだ。そして計算しなおした。帰りは尾根筋の道だ、だから4時ごろまでなら足元も明るく大丈夫のはずだ、と。だから12時まで登れるところまで行って引き返そう、と。疲れた老体に鞭をうって出発した。意外と思うほど小屋は近かった。休憩で多少リフレッシュできたようだ。11時35分には着いた。見上げると山頂まではまだずいぶん距離があるように感じられた。だがここまできたらもう引き下がれない。雪囲いされた無人の小屋の前にリュックをおろし、手荷物としてカメラだけを持って出発した。中ノ岳との分岐までの登りが勝負だった。雪に足をとられながら息せき切って一目散だ。時間との競争。分岐には11時58分。ここからはゆるやかだ。そして12時04分に山頂到着。眼前に八海山をそして南方に昨日の巻機山を眺め、そして四囲の山々を写真にとり、ゆっくり休む間もなく雪道を飛び跳ねるようにして下山開始。小屋着12時18分。昼食。12時30分には小屋を後にした。時間との競争から開放されたのは小倉山に13時40分に戻れたのを確認してからだった。暗くなる前に登山口に戻れる、と一安心した。
 それにしてもほとんどいつもそうなのだが山頂を目前にしたところで、山頂がまだやけに遠くそしてまだうんと高いところにあると感じてしまう。実際はさほどでない場合もかなりある。疲労感がなせる錯覚なのだろうか。
 昨日巻機山でザラ目雪となった新雪を口に含んでみた。イメージとして持っていた埃っぽさがない。こちらは空気がよごれていないせいなのだろう。氷水と同じだ。溶かさないで飲み込んだときの喉越しの感触がほてった体に心地良かった。今日も口にした。同じだ。しょっちゅう道端の雪をすくっては口にした。無臭。無味。やはりおいしい。シロップでも持っていたら天然の氷水ができるのになどと妄想もした。
 反省もある。
 やはり冬時間の山歩きは山を択ばなければいけない体力に既になっていること、またこの時期の山歩きは最低限6本爪のアイゼンを必ず携帯しなければならないこと、を。 

【写真記録】


☆☆  晩秋の越後駒ケ岳  ☆☆


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