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巻機山



【概要】


T所在地 新潟県※群馬県  
U訪問日時  平成21年【2009年】11月07日 ( 土曜日 ) 
V天候 快晴、無風 
W標高 巻機山   [ 1,967m ] 
 X登下山コースと所要時間 桜坂駐車場(07:40)→≒3.7q→(10:55)ニセ巻機(10:56)→≒0.4q → (11:05)避難小屋(11:06)→≒0.7q → (11:35)御機屋分岐(11:39)→〔≒0 .5q →(:)山頂(:)〕→≒0.7q →(11:56)避難小屋(12:26)≒4.1q→(14:56)桜坂駐車場
 * 上記ルート図
 * 表示距離についての注記
 Yその他 《1》登山口と山頂との標高差〜≒1,217m
 《2》日程〜 日帰り
 《3》同行者〜 単独


【詳細】


 この時期落葉樹は幹と枝だけとなり、草は枯れている。命を感じさせるのは針葉樹、笹、ハイ松くらいのものだ。他の季節と較べると色彩感ははるかに乏しい。その点の魅力は半減する。
 それでも、山はイイ。
 見渡す限り空に雲はなく、中天は深く青い。風もない。歩くと少し汗ばむ程度の温度。こんな日に山の中に身をおくだけで静かな喜びが全身を包む。
 しばらく行くと、左手に手入れされた“中年”(?)のブナ林が広がり始めた。林床には笹などはなく、遠くまで無数の幹が林立していた。枯れ葉はほとんどが既に落ちていて、枝についているのはすくない。ブナの幹を普段綺麗と感じたことはないが今日は違った。今そのブナ林に朝陽が満遍なくふりそそいでいる。その燦燦たる光を受けて真っ青な空の中に立ち並ぶ幹が白っぽく光っている。もし曇っていたら全く別の印象を与えたことだろうし、格別の感興も湧かなかったに違いない。自然の不思議なところだ。
 雪。
 何日か前に降った新雪がかなりの深さで解けないで残っていた。新緑や紅葉でなく雪が峰や尾根そして谷を点々と彩っていた。
 ニセ巻機(登山口方面からは本山を隠すように立ちはだかっているのでこのように命名されてしまったのだろうが悠揚としたその姿にふさわしい名前をつけてあげてほしかったと思う。)の山頂に近づくと、それまでこの山の陰になっていた本山が目に飛び込んでくる。鋭鋒でなく大きな尾根だった。
その斜面を岩と枯れ草の茶色、笹とオオシラビソの緑、黄砂に汚されていない純白の雪がまだら模様におおっている。山上の上空は深く澄んだ青一色。

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 主峰の向かって左隣の割引岳は対照的に三角形だ。右側は米子沢の頭へと長大な尾根が続いている。いずれも存在感がある、と思う。到るところに展開する断崖絶壁と深い渓谷と滝。雪解けで増水したからだろうが滝の水音があちこちから耳にはいる。東西南北山並みが幾重にも縦横に走っている。山地の広大さをつくづくと知ることになる。近くには苗場山、平漂山、仙ノ倉山、万太郎、谷川岳、大源太山、笠ケ岳、至仏山、燧ケ岳が、遠くには雪をいただいた妙高火打と白馬がうっすらと、そして武尊山、皇海山、日光白根山、赤城山などははっきりと静かにたたずんでいる。これらの山並みは高度を上げるつれてだんだんとその全体像をあらわすのだ。北方の越後三山の雄大な屹立した巨大な山塊には圧倒された。横一列に並んでいるだけなのだがあたかも三峰を持ったひとつの山とも見えた。下山時間のことを考えるとそこでゆっくりと眺望を楽しむことができなかったのが惜しい。そしてやはり下山時間を考えて本当の山頂(山頂のある尾根の一角にある御機屋に山頂標識は設置されている。下山時避難小屋で作業をしていたこの山の保護活動をしている巻友会の方に聞いたところでは、最高峰の山頂は植生保護、復元のため柵囲いがしてあり立ち入り禁止となっていて、最高地点でなくこの御機屋が地元の人達の信仰を集めていたためにここにいろいろな標識などが設けられたそうである。)にまで足を伸ばせなかったことがわずかに心残りとなった。それでも絶好の好天と新雪などの千載一遇の幸運に恵まれ、大自然の豊かさを十分に満喫できたありがたい一日であった。


【写真記録】


☆☆  新雪の巻機山  ☆☆


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