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 常念岳  



【概要】


T所在地 長野県
U訪問日時  平成25年【2013年】10月7,8日 (月、火曜日)
V天候晴れ時々曇り、無風 
W標高 常念岳  [2,857m ] 
 X登下山コースと所要時間《 初日 》一の沢道登山口[1,260m ](7:00)→2.1q[350m ] → (08:12)大滝[1,610m ](08:29)→1.4q[290m ] →(09:42)笠原沢[1,900m ](09:43)→2.2q[560m] [休憩;14分]→ (12:21)常念乗越[2,460m ](13:10)→≒1q[397m ] → (14:42)常念岳[2,857m ](14:52)→≒1q → (15:45)常念小屋
《 二日目 》常念小屋(07:08)→5.7q [休憩;11分]→ (10:12)一の沢道登山口
 * 上記ルート図 
 * 表示距離についての注記
 Yその他 《1》登山口と山頂との標高差〜≒1,597m
 《2》日程〜 一泊二日
 《3》同行者〜 単独


【詳細】


 一ノ沢は高度をあげながら歩くに従いだんだんと沢幅を狭めて笠原沢橋近くになるとV字渓谷の底を歩くようになる。その渓谷の斜面はクマザサやシラビソそしてダケカンバやカエデなどの落葉樹などが混生していた。良く透き通った青空をバックに、ササや針葉樹の緑色に、ダケカンバの黄色、そしてカエデやナナカマドの紅色が陽射しに照らされて明るく輝いていた。ことにナナカマドの紅葉が鮮やかで見事だった。常念乗越まで秋はたけなわだった。 俳句とか短歌などに趣味のない小生だが、この時期の日本の山の秋を歌ったのをひとつだけ知っていて、その歌を何度か口づさみながら、錦秋の山の美しさを心ゆくまで堪能した。
 “春は萌え夏は緑に紅のしみ色に見ゆる秋の山かも”

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胸突き八丁から常念乗越までの登りはきつかった。それだけに乗越の広場に辿り着き、雄偉な常念岳、北穂高岳から尖峰の槍ヶ岳の山並み、その手前の大天井方面から西岳ヒュッテ方面への稜線、そして優美な横通岳までのパノラマを眺めたときは、疲れも吹っ飛んで、しばし見とれた。
 広場のベンチで休憩した後、山頂は明朝にしようかとも迷ったが、明朝の好天も保証の限りで無いないし、そしてその時天気もさほど悪くなく、時間もまだ早かったので、リュックをベンチに置いて、空身で出発することにした。広場から見えたピーク付近が山頂と思っていたが、そこはそうでなくもっとずっと先にもう一山が見えた。その頂は大きな岩が積み重なった、狭い場所で、そこに山頂標識があった。東西南北、360度視界を遮るものは雲以外はなかった。雲が多かったので眺望はいまひとつではあったがそれでも近場の四囲の山々が並び立っている様を眺めることができた。そしてそこに設置されていた方位盤に書かれた山岳名を見て驚いた。遠く上信越の山々の名が書かれてあつた。そこには日光白根山、男体山、そして小生の地元の赤城山などがあり、その書いてある方角の雲海上に、その峰々が見えた。それらの北側には、谷川連峰と思われる山々も連なっていた。見えるなどと予想していなかっただけにビックリした。

 紅葉の他にもうひとつ期待していたのは、槍穂連峰のモルゲンロートを見ることであった。夜明けとともに、槍ヶ岳の山頂が黄金色に染まりだし、そして段々と光が麓の方も染め出す、そんな光景をイメージしていた。あの上高地での朝焼けの再現を願っていた。しかし実際にはそういう瞬間はなかった。どうも日の出が幾すじもの横にたなびく雲に遮られた結果ではないかと想像した。でも太陽が全部その姿を出した直後には槍穂連峰が一気に全体的に黄金色になった。やはり綺麗だった。(余談だが,笠ケ岳山荘から穂高岳山荘と槍ヶ岳山荘の灯りが良く見えたのだが、常念乗越からも北穂高小屋、ヒュッテ西岳、そして槍ヶ岳山荘の灯りがやはり良く見えた。帰宅してこのクローズアップした槍ヶ岳の朝焼けの写真を仔細に見てみると、穂先の三角の左麓に槍ヶ岳山荘がそして東鎌尾根の左端に白っぽくヒュッテ西岳の小屋が写っているのに気がついた。)

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 山を降りるときはいつも後ろ髪を引かれる想いがし、感傷的になってしまう。下山の一歩を踏み出して、見納めと思って眺めた常念は、小生の目には昨日から今日の中で最も凛々しく、そして雄雄しく映った。

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【写真記録】


 ☆☆ 錦秋の常念岳 ☆☆ 


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