百名山訪問記
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黒部五郎岳

水晶岳・鷲羽岳



【概要】


T所在地 富山県・長野県・岐阜県  
U訪問日時  平成27年【2015年】07月22日(水曜日)〜07月26日(日曜日)
V天候22日〜曇り後雨、23日〜雨、24日〜雨のち曇り、25日〜曇り、26日〜曇り 
W標高黒部五郎岳 [2,839.7m] 水晶岳 [2,986m] 鷲羽岳 [2,924.4m]
 X登下山コースと所要時間■《前夜泊》
 市営新穂高第三駐車場
■《 初日 》
市営新穂高第3駐車場 [1,046m](05:03)→≒13.4q [1,554m][休;67分]→(15:10)双六小屋 [2,600m]
■《 二日目 》
双六小屋(06:08)→中道コース、≒2.8q[260.4m]→(08:20)三俣蓮華岳[2,841.4m](08:25)→≒1.1q[▲291.4m]→(08:55)三俣山荘 [2,550m ]  
■《三日目》
三俣山荘(05:45)→≒1.2q[374.4m] [休憩;05分]→(07:10)鷲羽岳[2,924.4m](07:12)→≒1.1q →(07:45)ワリモ岳分岐(07:45)→≒1.1q →(08:35)水晶小屋[2,900m](09:00)→≒1.1q[86m] → (09:00)水晶岳 [2,986m](09:34)→≒1.1q→(10:10)水晶小屋(10:25)→≒1.1q→(10:55)ワリモ岳分岐(10:56)→≒0.2q→(11:10)岩苔乗越(11:14)→源流コース、≒2.4q [休憩;05分]→(12:57)三俣山荘 
■《 四日目 》
三俣山荘(04:50)→≒1.1q→(06:05)三俣蓮華岳(06:07)→≒2.4q→(07:24)黒部五郎小舎[2,345m]→カールルート、≒3.1q→(10:04)黒部五郎岳[2,839.7m](10:12)→カールルート、≒3.1q [休;87分]→(13:23)黒部五郎小舎
■《 五日目 》
黒部五郎小舎(05:20)→≒2.4q→(07:23)三俣蓮華岳(07:31)→巻道ルート、≒2.4q [休憩;08分]→(09:13)双六小屋(09:30)→≒3.5q [休憩;06分]→(11:13)鏡平山荘(11:45)→[休憩;05分]→≒4.9q →(14:15)わさび平小屋(15:10)→≒5.0q→(16:22)市営新穂高第3駐車場


 * 上記ルート図 
 * 《 初  日 》ルート図 
 * 《 二日目 》ルート図 
 * 《 三日目 》ルート図  
 * 《 四日目 》ルート図 
 * 《 五日目 》ルート図 

 * 表示距離についての注記
 Yその他 《1》 の標高差〜≒1,940m
 《2》日程〜四泊五日
 《3》同行者〜 単独


【詳細】


■《 初日 》
 昨夜真夜中目覚め上空を仰いだ時満天の星空だった。だが朝起きた時には空はどんよりとしていたのでレインウェアー上下を着込んで出発した。
小池新道入口、秩父沢、イタドリヶ原、シシウドヶ原、とゆっくりではあるが、木々の若葉、残雪、花々、清流などを楽しみながら鏡平山荘には11時半頃には着いた。ガスが空一面を覆っていたためにテラスから槍ヶ岳を望み見ることはできなかった。でも四日後の下山日には、すぐ目の前に夏の陽射しを満身に浴びた、凛々しく、勇壮な鋭鋒をたっぷりと眺めることができた。この山荘のチョット手前に、熊の踊り場、という場所があり、その登山道脇にキヌガサソウが咲いていて、中に花弁に赤紫色の筋様に色づいているのがあった。これまでも見たのかもしれないが、今回は強く印象付けられ、小屋の受付の方に聞いてみた。キヌガサソウは花期が二三週間で、終わりの頃になると、あのように色変わりする、と教えてくれた。小生の図鑑でも、またこれまで見てきたキヌガサソウの花の色は白だった。そしてこの後他の場所でも色づいたのを見た。新しい発見だった。
 お昼を食べ終わる頃から本降りとなりだし た。重い気持ちと足取りで、あえぎながら、なんとか急登の弓折乗越に辿り着いた。少し休み、勇を鼓して今日の目的地に向かった。少し歩くと、思いもしていなかった光景に出会った。登山道の細道の先に大きな雪田があり、真ん中に踏み跡がついていた。この時雨とガスが見通しを悪くしていた。その雪田の入り口で左側土手の斜面が色づいているのに気が付いた。白いハクサンイチゲ、黄色のシナノキンバイ、ミヤマキンポウゲそしてピンクのイワカガミなどが混生したお花畑だった。歩を進めると、粗末な木の標識に「花見平」とあった。そこを通り過ぎたところあたりからはコバイケイソウが群生していた。靄のなか雨に濡れた花々はみずみずしかった。ああ、来て良かったと、内心で叫び、疲れていた心と体は元気になった。

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■《 二日目 》
 朝からガスが満ち、雨が降り、時折風も吹いていた。計画では黒部五郎岳訪問の予定だった。この山はカールルートを通り、カールの自然とその山全体をカールの底から見上げたかった。でもこのガスでは何も見えないだろう、と思い、急遽予定を変更し、源流ルートを遡って水晶小屋まで行こうと考えた。翌日天気が回復すれば、稜線ルートを戻ってくれば水晶岳、鷲羽岳からの眺望を楽しめるだろう、と皮算用したからだった。
 三俣蓮華岳への道で残雪や増水の危険がないのは中道ルートだけだったのでその道を通った。悪天候ではあったが、広大な残雪や道端の高山植物の花々が慰めてくれた。もう少しで蓮華岳の山頂というところで、雨の中パチパチ撮っていたデジカメが壊れてしまった。防水性能ではなかったけどこれまでも大丈夫だつたので過信しすぎていたようだ……………。ガックリした。
 三俣山荘に源流ルートの安全性について聞くと、この雨で谷川の増水と雪渓上の歩行が危険だ、と忠告された。今日現に雪渓を踏み抜いて川に落ちズブ濡れになった人がいる、とのことだった。この天候での稜線ルートも自信がなかつたので、三俣山荘で待機することにした。
もうひとつ待機することにした理由に寒さがあった。丸山から蓮華岳の尾根筋では谷底から吹き上げる風でずぶぬれになっていた身体がすごく冷え込んで、寒かった。アンダーウェアーとして防寒衣を着ていなかったせいだったのだろう。低体温症の前兆はこういうのだな、と感じた。小屋で着替えて再出発というのが億劫だった。 
そして待機中に若い人が、荷をここにデポして今ピストンで鷲羽岳に行って来たけど全然大丈夫だった、と話してくれた。聞いてみると風はほとんどなく、登山道の道幅も結構広く不安を感じなかった、とのことであった。登山道が谷川になっているようなとこもなかった、とのことであった。自分の弱気を悔いたがあとの祭りだった。

■《 三日目 》
 朝相変わらず雨は降り、風も吹いていた。土間で出発の準備をしていると、小屋の人から、ただいま水晶小屋から、立っていられないほどの強風なので水晶岳登山は見合わせた方が良い、との連絡が今入りました、とのアナウンスがあった。まずは、今日も待機はイヤだ、という気持ちだった。だからとにかく出掛けることにした。風と雨で危険を感じたらそこでユーターンしてくれば良いと決めた。小雨が降り、時折風はふくが体をぐらつかせるほどではない。昨日の反省を踏まえて今日は持参していたフリースの長袖を着込んで、ワイシャツを着ずに、その上からレインウェアーを羽織ってみることにした。結果ずぶ濡れになってもさほど寒くなくフリースの保温効果を確かめることができた。そして怖い思いをすることもなく、鷲羽岳、ワリモ岳、ワリモ北分岐をを通り、水晶小屋に着いた。休憩後の水晶岳への往復も風と雨に悩まされることはなかった。また水晶小屋のある尾根から労せずして山頂に立てるその安易さに驚いた。でも最初から最後までガスで眺望は皆無であった。ただライチョウを一羽見ることができた。小屋休憩中に食べたカップラーメンが殊のほかおいしかったのが妙に記憶に残った。
 ワリモ分岐から水晶小屋へ向かう途中に池塘と岩が点在する、花咲く草原があり、心惹かれた。そして、さらに進むと、道端に「水晶小屋まで十五分」と書いた小さな立て看板があった。そこを過ぎて小屋までの道の両脇の岩肌に、クリーム色の、無数の、イワオトギリの株が、そして、赤紫色の、沢山のタカネシオガマの株が密生しているではないか、その数の凄かったこと!!!こんなの始めて見た。
 そして山頂下ではタカネシオガマやイワギキヨウのほかにツメクサや、珍しいことに、シコタンソウなどが沢山咲いていた。シコタンソウは去年悪沢岳にも沢山あったが、それに負けず劣らずの量だ。水晶岳は高山植物が生きるのに最適地なのかもしれない、と想像された。花好きな旅人にはこたえられないスポットだと思う。
 水晶岳の訪問後小屋で休憩中に北さんという方とご一緒した。下山路を尋ねたところ源流コースを予定しているとのことだったので同道をお願いをした。一人では不安だったから。快諾してくださり、いろいろ雑談しながらそして雪渓や花々を鑑賞しながら、小川のようになっている登山道やいくつかの谷川を跨いでいる雪渓を渡って無事三俣山荘に着いた。北さんは、小屋で休憩後に双六小屋まで足を伸ばし、明日は笠ヶ岳に向かうとのことだった。地元の飯豊連峰や朝日連峰をこよなく愛し何度も訪ねている、風流を好む、同じ70台の山旅人だ。北さんのお陰で源流ルートを心強くそして安心して下山できた。ありがたかった。

■《 四日目 》
 昨日の午後あたりから回復しだしていた天気が今朝は雨もガスもない。この日を待った甲斐があった。
 今日は待望の黒部五郎岳訪問だ。
 最初小屋から巻き道ルートで五郎小舎へ向かったがブッシュの入口がわからず方向転換し、蓮華岳通過ルートにすることとした。目の前の雪渓はアイスバーンになっていて登るのにつるつるすべるので面倒だったけど持参していた六本爪アイゼンを履いた。
 山腹を下降する登山道を降りると五郎小舎はあった。五郎平という地糖も点在する草原の端にあった。コバイケイソウが咲き乱れ、さしずめコバイケイソウ草原の観を呈していた。カールに行く途中の道端には他の場所ではその数の少なかったチングルマやイワイチョウなどの群落が花を咲かせていた。登山道脇に広がるダケカンバ林が小生にはたまらなく魅力的だった。ナナカマド、カエデなどが混生し、秋の紅葉の美しさをしのばせてくれていた。潅木林を抜けてほどなくカールの底の端に出た。
 扇形した台地の向こうに、方状節理というのだろうか、巨大な直方体の岩石を積み木のように数十段、数百段重ねたような姿をした、少し傾斜した断崖絶壁、が帯のように連なっていた。その白褐色の岩壁に所々ハイマツが生え、雪渓が白く陽を受けて輝いていた。中央部から遠くに離れるほどに緑が多くなっていた。そして扇形のカールの底には、青草が生え、無数の、大小さまざまな形した岩石が乱雑に転がっていた。雪渓の雪解け水が小川となって、満々とみずをたたえて流れ下っていた。雄大で壮観な眺めであった。
山頂訪問後 カールの底の、清流そばの平たい大石に仰向けになり目をつぶり、単調なせせらぎの音に聞き入っていると、いつの間にか寝入ってしまった。目覚めて目を開けると、青空の中を白い雲が、あるものはほとんど動かずにじっとしてい、あるものはゆっくりと流れ、また別のものは駆け足で流れていた。清流の水を両手で何度もすくいあげて飲んだ。しびれる位の冷たさが心と身体に沁みた。山旅の途中でこんなにのんびりしたのは久しぶりの気がする。
 小生には五郎岳は期待にたがわぬ、感動的な山だった。

■《 五日目 》
 昨日の朝から今日の鏡平山荘まで三俣蓮華岳、黒部五郎岳などのピークとそれらを繋ぐ稜線を歩いた。天気がまずまずだったお陰で高山の眺望を十二分に堪能することができた。先月訪ねた薬師岳は折立口とは比較ならないくらいに重厚で壮大な山容なのに一驚した。残雪のまだ残っている白山も見えた。そしてその方向に幾重にも並んだ山々が雲海の上に浮かんでいた。なぜか小生はこのシーンが大好きだ。剣岳と立山三山も望見できた。雲の平というとこが遠くから見たらどんな感じの場所なのかもわかった。そして鷲羽岳、ワリモ岳、水晶岳の山並みも美しい。ひとり離れたとこに屹立する笠ヶ岳の孤高の気高さ、心をぎゅっと掴んで離さない槍、穂高連峰の荒々しさ、焼岳、乗鞍岳、そして悲劇の山御嶽山などなど何度見ても見飽きなかった。
 双六小屋から槍ヶ岳がすごく近くに感じられた。体力と脚力がもっと残っていれば訪ねたかもしれなかった。

 五郎小舎を朝出る時には鏡平山荘に今晩宿泊する予定だった。小生の体力、脚力ではそんなとこが相場と思ったからだった。ところが驚いたことには十一時ちょっと過ぎには山荘に着いてしまった。つぎの目標地をわさび平小屋にしたが、ここも2時ちょっと過ぎには着いてしまった。こんな想いの繰り返しでとうとう新穂高温泉口まで歩いてきてしまった。18キロ強の距離を歩行時間10時間弱で歩いたことになる。70歳の小生だから「私は黒部五郎小舎から穂高温泉登山口まで一日で歩いて降りました。」と人に自慢できるんじゃないかなー?!(笑)


【写真記録】

 ☆☆ 7月22日 ☆☆ 

 ☆☆ 7月23日 ☆☆ 

 ☆☆ 7月24日 ☆☆

 ☆☆ 7月25日 ☆☆

 ☆☆ 7月26日 ☆☆

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