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瑞牆山



【概要】


T所在地  山梨県 
U訪問日時  平成20年【2008年】6月15日(日曜日)
V天候  曇り一時晴れ 
W標高  瑞牆山    [2,230m]
 X登下山コースと所要時間 瑞牆山荘(8:07)→≒1.0q→(8:56)富士見平小屋(9:03)→≒0.8q → (9:28)天鳥川(あまどりがわ)渡渉点(9:15)→≒0 .9q →(11:18)山頂(12:06)→≒0 .9q→(13:22)天鳥川渡渉点(13:29)→≒0.8q→(13:55)富士見平小屋(14:07)→≒0.8q→(14:44)瑞牆山荘
 * 上記ルート図
 * 表示距離についての注記
 Yその他 《1》登山口と山頂との標高差〜≒715m
 《2》日程〜日帰り
 《3》同行者〜I氏、A氏、Y夫人


【詳細】


小生の郷土群馬県の碓井、甘楽地区に奇岩怪岩で有名な妙義山がある。
 瑞牆山も奇岩怪岩でできているようであることは写真で見知ってはいた。
実際に見てみると妙義山と違ってこの山はひとつひとつがどちらかといえば矩形で巨大な岩石の積み木(そのひとつの典型が大ヤスリ岩じゃないだろうか。)といつた印象を受けた。そしてまた同時に大自然のピカソや岡本太郎氏も顔負けの造形作家としての偉大さに感嘆するばかりであった。
 たまたま訪問日の前日に岩手県大地震での山岳地域の被害を報道映像でみてその猛威に愕然としたのであるが、そのことがこの山が海底火山の爆発とその隆起によって誕生したようであると想像させた。そしてこの岩石がむき出しの巨大な山塊が地球の地殻変動の身の毛もよだつようなすさまじいパワ−を改めて想起させた。
 信州峠を越えて登山道の途中までは山は雲に隠れてずっと見えなかった。たまたま雲が切れ、晴れ間が覗いたときに左手のミズナラ林の木々の幹と葉の隙間にその怪異な姿の一部を見たときはやはり感動した。下山途中ではもっと良く晴れやはり木の葉の隙間から見えた。この登山道の尾根のどこかに山をその直下から見上げられるような場所があったらイイのになあとつくづく残念に思った。落葉後の冬場だったらもっとはつきりと眺められるのだろうけどオールシ−ズン観賞できるビユ−ポイントを新しい登山道を作ってでも設けてほしいなどと妄想するのはバカげているのだろうか……………。帰途みずがき山自然公園近くの天鳥川にかかる橋上と信州峠への麓でなんとか山の全貌を概観できたのがせめてもの救いであった。
浮世離れした妄想癖のある小生はもうひとつ妄想した。大ヤスリ岩付近は急登な登山道が巨石の間をぬうように蛇行しながら山頂へ向かっているのだが、その登山道脇に巨石がいくつかずつ積み重なっているところが何箇所かあった。石と石の隙間を何気なく覗いて見ると、陽が良く差し込んで雨も吹き込みそうもないと思われるような立派な綺麗な天然の石室状の大きな空間があるではないか。あるやつなどは落ち葉が整然と敷き詰められたようにある。人が何人も寝泊りできるではないか。この山を道場としていた昔の修験者は絶対にここを住まいとしていたであろうと。 

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     <山頂からの大ヤスリ岩>        <天鳥川橋上からの瑞牆山>        



  小生にとって今月はシャクナゲ観賞月のようだ。
でもちょうど見頃がピタリと合ったのはこの瑞牆山であった。しかも分量も膨大だった。シャクナゲにこんなにも感動したのは今回が始めてだ。小生はこの山に「シャクナゲ山」とニックネ−ムを奉った。
 登山口から天鳥川は気持ち良いミズナラ林やコメツガ林が続き目立つような草花などなかったと思う。無論シャクナゲなどなかった。天鳥川に着きその水で喉を潤してそこの休憩場所にザックを下ろしてもう散り始めていた一本のミツバツツジに目をやって何気なく休憩場周囲の斜面を見た。薄暗い木立の間にぼんやりとピンク色のものが点々とぼんやりと見えるではないか。目を凝らしてみると間違いなくシャクナゲの花だ。これが序曲だった。
 山頂までの路傍とコメツガ林の林間は濃淡の赤紅色のシヤクナゲのオンパレ−ドであった。山を登っているという感覚を忘れることがしばしばであった。始めての質と量だからもう道草の食いっぱなしである。どうして見飽きなかったのか今にして思うと不思議だ。特に斜面の薄暗い木立の中の一面のシャクナゲの咲いているさまは道端のとは違い趣きを異にし幻想的であった。
 そけにしても不思議だ。甲武信ケ岳は「アズマシャクナゲ」と「ハクサンシャクナゲ」で僅かに離れているに過ぎないここのは「ホンシャクナゲ」という別の種だそうだ。小生には「アズマシャクナゲ」と「ホンシャクナゲ」の違いがわからないのだけれど。

 登山道とその周辺にキバナママノツナ、コイワザクラ、イワカガミ、クリンソウなどの高山植物を見ることができたが、その数はわずかで、この山は草花の種類と数はこの時期少ない山のようだ。そのかわりにミズナラ、ダケカンバ、コメツガ、シラビソなどは見事で、相当古いであろうと想像される老木が何本もあり、また岩の上に根を張っていてよくまあ風で倒れないもんだと心配させるようなアクロバット的な木もあったりして興味ぶかかった。
そんな木々を見ながらいつしか登山口近くまで来たらエゾハルゼミが通奏低音のように合唱しているのに気がついた。

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  昨日は瑞牆山の岩とシャクナゲに酔っ払った一日であった。
 下山後その酔いを醒ましてくださるかのようにA氏とY婦人がドリツプコ−ヒ−を振舞ってくれた。おいしかった。感謝。

【写真記録】


☆☆  瑞牆山の岩と花 ☆☆


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