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羅臼岳



【概要】


T所在地  北海道 
U訪問日時  平成20年【2008年】7月18日( 金曜日 )
V天候 曇り時々霧雨 
W標高 羅臼岳  [ 1,661m ]
 X登下山コースと所要時間 木下小屋前登山口( 7:44)→≒1.0q→( 8:25)オホーツク展望台( 8:26)→1.6q → ( 9:15)弥三吉水( 9:20)→2.3q →(10 :36)大沢入口( 10:37)→ 0.8q →(11 :23)羅臼平( 11:28)→0.6q →(11 :53)岩清水( 11:55)→0.6q →(12:55)山頂(12:55)→5.9q →( 3:20)オホーツク展望台( 3:20)→≒1.0q→( 3:50)木下小屋前登山口
 * 上記ルート図
 * 表示距離についての注記
 Yその他 《1》登山口と山頂との標高差〜≒1,431m
 《2》日程〜日帰り[前夜泊;国設知床野営場]
 《3》同行者〜単独


【詳細】


 羅臼岳訪問は二度目だ。
前回は大学3年の昭和41年の夏に一ヶ月くらい北海道を旅したことがある。そのときは岩尾別温泉から羅臼平を越えて羅臼温泉に下った。
岩尾別温泉の夜の星空がキレイだったこと、そして場所がどこであるのかは覚えてないが、知床半島のオホーツク海側は雲海でビッシリ埋まり、太平洋側は雲ひとつなく国後島や根室半島などが見えた。
 またあの時羅臼平で一晩夜を明かしたのだが夜中にテントの周囲をガサゴソ音がして何かの動物の気配がする。ナタを手に持って静かにじっと外の気配をうかがっていた。熊だったのか、キツネか狸だつたのか、何十年前のことが昨日のことのように思い出される。

………………………

昨日は移動日で道の駅で夜明かしをした後、網走駅前のコインランドリーでたまっていた汚れ物を洗濯し、キャンプ場への道すがらだったものだから、小清水原生花園に立ち寄った。オフなのかだろうか、チシマフウロハマナスそしてエゾスカシユリなどが点々とあったが、山上のお花畑を見てきた者には物足りないものだった。すぐにそこを離れキャンプ場へと向かった。
 ウトロにある知床国設野営場についてまずビックリしたのは、幕営地を探して奥へ行ってみると、5、6匹の鹿がのどかに草を食べたり、休んでいる。何時間も遊んでいた。今回北海道に来て始めて見る鹿だった。そして翌日早朝岩尾別温泉への道端でも数多くの鹿が草を食べていたし、今日なぞは羅臼岳からの帰り道仙人坂付近の角道を曲がったとたんに突如茶色い物体が目に飛び込んできた。熊よけ鈴を鳴らしていたが関係ないようであった。当方なぞは無視して一心不乱に草をあさっている。逃げないし、道も空けてくれない。人間は怖い存在ではないようだ。キャンプ地への帰途でも散見した。この地域は鹿にとっても楽園なのだろう。


 今朝いったん3時半ごろ起きた。雨がバタバタとテントをうっていた。今日はやめた、とまた寝た。6時半ごろ目が覚め外を覗いてみると雨があがっていた。登山口の方は状況はどうかと岩尾別温泉に向かった。道中どんより曇っていて山側にところどころガスは立ち込めているがやはり雨は降っていない。ホテル「地の涯」前駐車場に着いてみると下はそんなに濡れていない。こちらはほとんど降らなかったようだ。陽の明るいうちには戻れるだろうとの見込みのもと仕切り直しで登ることにした。
 木下小屋前登山口で登山届の記入を済ませさあ出発だ。
 ガスに煙るエゾマツ、トドマツの古木、大木が林立する樹林帯の登山道はスリップもせず歩き易く気持ちよい。
 北海道でもこの時期の山行で眺望と高山植物の両方を満喫できる幸運にめぐり合えることはそんなにないのだとすでに納得し始めていたからガスか霧雨程度であれば高山植物に会えさえすればそれでイイくらいの心境だった。
 650メートル岩峰を過ぎたあたりからは上でなく横に幹を張り出している大木並木の下を登山道が続いていた。そういう登山道は他の土地でも見たことがあるが、他のはみんな樹齢は若そうだった。しかしここのは違う。オホーツクの風のすさまじさが想像されるとともに、その風に耐えながらしっかりと大地にその根を張り巡らしてきたダケカンバの古木達に『よくぞここまでがんばりましたネ』と拍手ダ。

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 弥三吉水の冷水で喉をうるおして小一時間汗をかくと、大沢入口だ。
 沢が上へ上へと続き先端はガスでかすんでいたが、羅臼平も遠くないと予感させた。
 それまでも高山植物はなかったわけでないがここから断然多くなった。沢沿いの登山道の端に、そして沢を挟む両岸の斜面に、時には左側にそしてまた右側に、群生したりあるいはひっそりと咲いていた。
 観賞しながらだから歩いているのを忘れてしまう。知らず知らずのうちに高度を稼いでいる。こういうところもお花畑の好きな理由のひとつだ。
 いつの間にか羅臼平に到着したが四方八方靄だ。霧雨も顔に当たりだした。
 昔テント泊した場所を思い出そうとしたが、現場を見ても特定できなかった。いずれにしろ木下弥三吉氏の碑のあった場所(勿論その当時はなかった。)近辺だったろう。余談だが今でもその黄色いカマボコ型のテントを持っている。
 そんな感傷にチョッピリ浸った後でハイマツ帯のなかを岩清水へ、そしてそこから岩場とお花畑のなかをペンキ印を頼りに山頂へと歩を進めた。
 いろとりどりのフラワーショーにうっとりしながら。
 

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〈 チシマクモマグサ 〉 〈  エゾイソツツジ   〉

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 〈  アオノツガザクラ  〉




 羊蹄山のように大岩がゴロゴロした山頂はガスのなかだった。早々と昼食を切り上げ、お花畑に未練を残しながら下山の途についた。
 羅臼の高山植物は一昨日の利尻山に較べ種類も量も多いい印象を受けた。

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【写真記録】


☆☆  羅臼岳の高山植物   ☆☆


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