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利尻山



【概要】


T所在地  北海道
U訪問日時  平成20年【2008年】7月16日(水曜日)
V天候 晴れ( 山上 )、 無風 
W標高 利尻山・北峰    [1,719m ]   [最高峰……南峰〜1,721m ]
 X登下山コースと所要時間 《 鴛泊コース 》
 利尻北麓野営場 ( 4:15)→≒5.3q→( 8:18)沓形分岐( 8:19)→0.5q → ( 8:50) [ 北峰〜1,719m ]( 9:36)→5 .8q →(13:27)利尻北麓野営場
* 上記ルート図
 * 表示距離についての注記
 Yその他 《1》登山口と山頂との標高差〜≒1,501m
 《2》日程〜日帰り[前夜泊;利尻北麓野営場]
 《3》同行者〜単独


【詳細】


一昨日旭岳温泉を発ってその晩の宿泊予定地、天塩の鏡沼海浜公園に着いたのは夕方であった。夕暮れのなか利尻山のシルエットが一部見えた。ここを選んだのは、天気に恵まれれば海岸沿いのサロベツ原野を走る稚内天塩線から日本海越しに利尻山が望めると知ったからであった。
 サロベツ原野はいかにも北海道らしい広大さダ。国道の両側は海と原野と牧草地が延々と続く。道端のハマナスも綺麗だ。
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 だが稚内に着くまでとうとう利尻山は雲の中であった。
 鴛泊(おしどまり)港 へのフェリーから進行方向左側に利尻山を初めて一望できた。翌日の好天気を願った。
 山が海に浮かんでいる、そんな印象だった。

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 北麓キャンプ場の登山口を出発したとき外は明るくなり始めていた。朝の大気を胸一杯すいながらゆっくり一歩一歩歩き始めた。昨日は移動日で休養できたため体調はまずまずのようだ。甘露泉水ではペットボトルに給水すると同時にゴクゴクと飲んだ。水の冷たさがたまらない。ウマイ。
4合目付近のトドマツやエゾマツの古木、大木の樹林帯はその古老木の太い幹の一木一木を見るだけでも楽しい。大袈裟かもしれないが悠久の時を感じさせる。冷気もすがすがしい。その後は型どおりの藪のなかのえぐられた登山道を前へ前へと歩を進める。見晴台で展望が広がるが一面雲海ダ。ただ上空には雲がなく朝日が燦燦と輝いているため雲海が綿のように白い。我慢のしどころの天気だ。山頂にたどり着くまでもってほしいと願う。今回の山旅でこんな上天気(?)は初めてなのだから。
 長官山でやっと山頂を臨み見ることができた。
ここから見た利尻山はおだやかで柔和な眉目秀麗な美男子を連想させたが高度を上げ頂上に近づくに従いその表情は豹変した。

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〈  長官山付近からの山頂  〉


山頂からは海も陸地も何も見えなかった。天空はあくまでも紺碧に晴れ上がり、太陽は明るく輝き雲ひとつない。眼下に目を転ずると見渡す限りの雲海だ。天と地の間がない。風はそよとも吹かない。
そして利尻の人達の信仰心の篤さを物語るように立派な社が祭られている。
直下から続いていたお花畑が山頂の周囲の崖や斜面に広がっている。いろとりどりの花達が鮮やかに咲いている。この時期羊蹄山では花数の多かった種はゴゼンタチバナ、イワブクロ、ウコンウツギ、エゾカンゾウなどが、旭岳の姿見平ではチングルマ、エゾコザクラそしてエゾツガザクラなどだつたような気がするが、ここではエゾツツジの赤紫色とイワギキョウの紫色がひときわ目立つように思われた。環境が違うと主役の種も相当違うようだ。
 北峰から降りて南峰(入山禁止の最高峰)の方へ足を伸ばしてみたが急斜面のためなかなかそばに近づけないがお花畑は下の方へもひろがつているようだった。
 キャンプ場から鴛泊港への足が確保できるかどうか心配で下山時間が気になって仕方なかったので小一時間で下山することにしたが足の心配がなければもっともっと“雲上人”の優雅な時間を楽しみたかった。

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〈 ミソガワソウ 〉 〈 エゾツツジ 〉
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〈 イワギキョウ 〉
                         

 昨日一日休養したせいか左足膝関節痛も四合目くらいからちょっとあったがカタツムリ歩行しなくとも済んだ。
キャンプ場で貰った利尻山紹介パンフにこのコースのコースタイムの項に
「距離8.4q/登り約6時間・下り約4時間(長官山で登り30分・下り15分ほどの休憩時間を含む)。山頂で一時間の休憩を考えると、天候の良い日でも11時間必要です。」
とあり、予備知識として標高差が1、500メートルあるのを知っていたから、果たして登れるのか、と一抹の不安があったが、結果的には杞憂に終った。これも上天気に恵まれた幸運に尽きる。晴れていてさえ難儀する9合目からの悪路、もし雨でも降っていればどうなっていたか。
 利尻山の神に感謝。
 礼文島も寄ろうかどうか迷ったがまたの機会も必ずあろうからと、稚内港へのフェリーに乗り、この島にも後ろ髪を惹かれる思いで別れを告げた。



【写真記録】


☆☆   利尻富士と花々    ☆☆


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