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蔵王山



【概要】


T所在地 山形県と宮城県の県境
U訪問日時  平成20年【2008年】3月12日(水曜日)
V天候  晴れ、微風、山頂付近温度−10度
W最高峰 熊野岳 [ 1、840.5m ]
X登下山コースと所要時間  「蔵王ロープウェイ山頂線」地蔵山頂駅(11:05)→≒0.3q→地蔵山(11:45)→≒2.0q→「御釜」(12:07)→≒0.9q→熊野岳(12:30)(13:15)→≒1.5q→「蔵王ロープウェイ山頂線」地蔵山頂駅(13:45)(14:15)→ザンゲ坂で≒2.0q→「蔵王ロープウェイ山頂線」樹氷高原駅(15:00)
 * 上記ルート図
 * 表示距離についての注記
Yその他 《1》歩行スタイル〜「蔵王ロープウェイ山頂線」地蔵山頂駅→熊野岳……ツボ足, 熊野岳→「蔵王ロープウェイ山頂線」樹氷高原駅……スノーシュー(使用スノ−シュ−〜TSL 225 Rando)
 《2》登山口と熊野岳山頂との標高差〜180m
 《3》日程〜日帰り
 《4》同行者〜I氏


【詳細】

 先月17日に北八ヶ岳の北横岳に行ったときのこと。登山道の脇の木々の雪の綿帽子が実に見事であった。その時同行者の一人のI氏が“モンスター”と何度か言ったので、何のことか聞いてみると、蔵王の巨大な樹氷をそう呼ぶとのこと。
 後で黒田淳一氏の樹氷写真集を拝見し樹氷と氏のその写真の素晴らしさに圧倒され、I氏を誘い樹氷見物に出発した。
当初予定では山頂駅の展望台から樹氷高原駅まで歩いて帰る予定だったからI氏には輪カンジキとストックをレンタルしてもらった。小生はスノーシューを持参した。
 樹氷高原駅からだんだん頂上駅に近づくに従い眼下に広がる、まだ溶けない完全な姿のモンスターの林立するそのさまは迫力満点で目を見張った。駅はスキー、スノボー客と一般の観光客で一杯だった。
 同じ雪景色でも上天気と悪天候では雲泥の差であるが、今日は素晴らしい幸運に恵まれた。
 駅を降りて眼前の風景を見回して右手の丘の頂上を見ると何人かの人陰があるではないか。一応二人とも冬山スタイルで来たものだから、それを見たI氏「我々も行こう」。
 歩き始めてそのあまりにも歩きやすいのにはビックリ。ツボ足でほとんど沈まないし、スリップもしない。実に快適だ。頂に到着すると標識があり、そこが「地蔵山」という名前の山の山頂であると知れた。太陽はさんさんと輝き、中天はどこまでも青く透き通り四囲は白銀の氷雪で覆われ光り輝いていた。ただちょっとした瑕疵があるとすれば地平線上方が霞状にもやっていて遠くの山並みの眺望が不充分だったことくらいであった。
 またまた南東方向の山の頂上付近に目をやったI氏「あれ、あそこにも人が行ってる。我々も行こう。」天候の崩れそうな気配が微塵もないのだか否も応もない。何よりも有難かったのは登山道沿いの柱列だった。植生保護のための立ち入り禁止の柵を張るためのものなのだろうが万万が一天候が急変しても道迷いの心配がないと思う精神安定剤の役割を果たしてくれた。

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  〈地蔵山山頂標識〉    〈熊野岳方向からの地蔵山〉


地蔵山頂から避難小屋を経て御釜(こういう名前の噴火口があるのはうっすら知っていたので避難小屋のところから眼下に見えたのが御釜だろうとその時は推察した。)へ行くまでに会ったのは男性のインストラクターに引率された14,5名の中高年の女性グループと2名の若い女性とやはり中高年の2名の男性だけであった。特に最初に出会った全員元気印の“女性軍団”が全員輪カンジキであったのが印象的であった。この冬浅間の黒斑山や北横岳では沢山のトレッカーと出会っていたのでこの蔵王の少なさは意外であった。

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〈地蔵山を後にして我々が目指したのがこの山で柱列に従って歩くと写真左側尾根上の避難小屋に通じていた。そして後で解ったのだがこの山こそが蔵王の最高峰だった。〉

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〈御釜〉


 氷雪で蔽いつくされた避難小屋を後にして今度我々が向かったのは、我々が地蔵山山頂で視認した例の“女性軍団”が降りてきたその頂であった。頂とおぼしきところに着くとそこはピークというより氷雪で覆われた大きな岩がゴロゴロした丘であった。その中のひとつに木造建築物の片鱗を感じさせるものがあり、これも避難小屋だと思いその時はこれが熊野神社の社とは知らなかった。そしてさらにあたりをキョロキョロすると下の写真の標識が目に留まり文字を読んでビックリ。
 《蔵王最高峰 熊野岳》とある。

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避難小屋から御釜越しに結構高い山があったように思えたからそちらに最高峰の山があるとばかり錯覚していた。
我々は期せずして日本百名山のひとつを“踏破(?)”してしまったことに気がついた。
蔵王山に失礼なことをしてしまったというすまない気持と宝くじに当たったような喜びの複雑な気持ちになった。
名山の“冬季登攀という 壮挙!(私の自意識では)”が今では山の神様の恩寵の賜物と感謝している。
頂上で昼飯を済ませ今度は“女性軍団”の下山路のトレースをなぞりまっすぐ頂を降り頂上駅に向かった。天候は相変わらず今日蔵王を訪れた人達に暖かく柔和であった。
 駅でそれぞれスノーシューと輪カンジキを履きザンゲ坂、ゲレンデの端、ロープウェイ山頂線の下をモンスター軍団の荘厳な威(異)容を鑑賞(大自然の偉大な彫刻家としての作品をカンショウするという意味で「観賞」いう言葉でなく「鑑賞」の方を使いたくなる。)しつつ「樹氷高原駅」まで歩いて下った。
 これまで冬山以外の山歩きではロープウェイを使うのは自分なりの美学(?)が許さなかったからしたことがなかった。安易な途を選んでいるようでイヤだった。麓の登山口から頂上までは歩いて登るべきだと思っていた。だから今回偶然にも山頂に立ってしまったこの山行を『訪問記』に含めることに後ろめたさは感じる。
 だがあまりにも素晴らしい山上遊歩を笑顔で見守ってくれた蔵王神の恩寵に感謝する意味でこの山歩きを『訪問記』第1号としたい。

【写真記録】


☆☆素晴らしき哉 蔵王☆☆



【再訪問時記録】


☆☆ 2013.01.23(水)の蔵王山  ☆☆



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