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 千丈ヶ岳 



【概要】


T所在地 山梨県・長野県  
U訪問日時  平成22年【2010年】07月10日 ( 土曜日 )
V天候 曇り一時晴れ、無風 
W標高 千丈ケ岳  [ 3,032.6m ]
 X登下山コースと所要時間 北沢長衛小屋キャンプ場(07:32)→≒0.8q→(07:48)北沢峠(07:48)→≒1.9q → (09:24)藪沢大滝の頭(09:25)→≒1.2q→(10:25)馬ノ背ヒュッテ(10:31)→≒1.1q→(11:40)千丈小屋(11:43)→≒0.5q→(12:18)山頂(12:45)→≒1.6q →(13:44 )小千丈ヶ岳(13:47 )→3.5q→(15:40 )長衛小屋キャンプ場
 * 上記ルート図 
 * 表示距離についての注記
 Yその他 《1》登山口と山頂との標高差〜≒1、052.6m
 《2》日程〜 日帰り[前夜泊;辰野PA]
 《3》同行者〜 単独


【詳細】


 藪沢大滝の頭から藪沢へ抜ける道はまだいずれも多量の残雪をかかえた雪渓を2、3本横切っていた。薄着でもちょっと汗ばむ初夏だ。しかし、この雪渓のところに来ると冷気が肌に心地よく、汗はさっとひく。雪渓の下からは雪解け水が奔流となって流れ出ていた。その水を手で何度かすくって飲む。冷水のど越しがたまらない。何度もすくううちに手のひらがかじかんできた。この時期こんな体験ができるとはさすがに3000メートル峰なんだと妙に感心したりする。
 馬の背ヒュッテ付近には鹿の侵入防止ネットが張ってあった。それでもほとんどの高山植物の新芽が食べられてしまうらしい。だから鹿がほとんど見向きもしないタカネニンジンとフキの仲間が繁茂していた。そんな中で登山道脇の斜面をシナノキンバイの群落がひときわ飾ってくれていたのはうれしいことであった。
馬の背ではいくつかのシャクナゲとハクサンイチゲが可憐に花を咲かせていた。でも野花の種類と量の少なさにこんなもんかと少々落胆しながら歩いた。
だがこの落胆はそう長くは続かなかった。
山頂へ歩を一歩一歩進めるに従い、だんだんと花の種類も数も増えてゆく。
最初はキバナシャクナゲがここかしこに群落を作って咲き始めていた。そのうちに、シナノキンバイ、イワウメ、ハクサンイチゲ、コイワカガミ、ミヤマシオガマそしてオヤマノエンドウなどが斜面の岩場をビッシリと埋め尽くしている。百花繚乱。赤、黄色、クリーム色。紫などの色彩が無造作にちりばめられている。殊に、山頂とその直下が見事だ。この時期この山を訪ねたのはこのお花畑が目当てであった。期待通りの素晴らしい原生花園であった。
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 花が主だったから、万一天候に恵まれず眺望が悪くてもイイと割り切ってはいた。雲は出て、一時ガスが山頂を蔽ったりしていたが、時々日差しもさすまずまずの天候であった。
 馬の背からの藪沢カールの上に屹立していた千丈ケ岳、そして小千丈ケ岳付近からの小千丈カール上の仙丈ケ岳と大千丈ケ岳の姿のなんと美しくそして雄大であつたことか。いずれも砂礫のカールにまだ残雪を残していて、その残雪の白さがひときわ色彩感を増していた。
山頂そして稜線上からの遠望も申し分なく素晴らしかった。駒ケ岳、鳳凰山、北岳、間ノ岳、、富士山、そして塩見岳などが雲海上に高くそびえている。特に眼前に悠然と構え、山頂部分を白っぽい岩石を露出している、あのどっしりとした重量感ある、明日訪問予定の駒ケ岳のその姿に心惹かれ、つい何度も何度も目がいってしまった。そして明日の予定訪問ルートが、あそこが仙水峠、そして駒津峰があそこ、下山ルート上の双子山があれ、と手にとるようにわかる。これほどまでの雄大で迫力のある大展望は期待していなかっただけに大いに得した心境になった。
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 予期せぬ幸運にもめぐりあった。
 千丈小屋への分岐をすぎて小千丈岳へ下山をしていると、目の前の登山道に何か動くものがいた。岩石に良く似た色だったのですぐにはわからなかったのだが、雷鳥の親子だった。親の周りを雛鳥が六羽チョコチョコョ動き回っていた。まことに愛くるしい。親鳥は時々砂浴びみたいなふりをしていた。雨続きだったので久しぶりにできる日光浴だったのだろう。上空を舞っているトンビなどはいなかった。人間を警戒してる様子がない。暫く待ってみたが道を明けてくれそうにない。しょうがないから小生は道から離れて斜面を歩いてしばらくして登山道に戻った。この山にも雷鳥がすんでいるというのをはじめて知った。雷鳥を見たのはこれが三度目だ。最初が白馬乗鞍岳の麓の天狗原、次が火打山だった。
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日本に3000メートルを越える山々がいくつあるのか知らないが、小生は今日始めて3000メートル峰を歩いた。


【写真記録】


 ☆☆ 美しき楽園 ☆☆ 


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