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浅間山



【概要】


T所在地 群馬県* 長野県
U訪問日時  平成22年【2010年】 5月28日 ( 金曜日 )
V天候 快晴.微風
W標高 浅間山 [ 2,568m ]
 X登下山コースと所要時間 車坂峠登山口(07:35)→{表コース、≒2.1q}→(09:04)トーミの頭(09:06)→≒0.9q →(09:47)湯の平分岐(09:48)→≒2.02q → (11:07)前掛山分岐(11:08)→ ≒0.45q →(11:28)浅間山[ 2,530m ](11:40) →≒1.1q →(12:26)三ツ石(13:03)→≒2.7q→(15:09)トーミの頭(15:10)→{中コース、≒2.1q}→(16:03)車坂峠登山口
 * 上記ルート図
 * 表示距離についての注記
 Yその他 《1》登山口と山頂との標高差〜≒561m
 《2》日程〜 日帰り
 《3》同行者〜 単独


【詳細】


 山の冷え込みの厳しさを初めて教えてくれたのはこの山であった。
 前掛山の斜面にはすでに薄く雪がつもっていた、平成20年12月2日のことだった。手袋は“軍手”だった。左眼下に田代湖が見え初めた地点のちょっと先であった。そんなに強い風が吹いていたわけではなかった。しかし、軍手を通す寒気で指がだんだん感覚をなくし、指がうごかなくなってきた。
あぶない、と思って引き返すこととした。下りでは、アイゼンというものの必要性も痛感した。

 その後山歩きの知識と装備も多少増えたので再訪したかったが、噴火警戒レベルが『2』の状態がしばらく続いた。そして4月15日に気象庁が噴火警戒レベルを『1』に引き下げたことをニュースで知った。『1』は立ち入り禁止区域が前掛山までになったということだったので、ここまでなら浅間山を訪ねた気分もするので訪れようと思っていた。

 見上げると噴煙をあげる浅間山が目の前にそびえたつている地点で、「立ち入り禁止」の標識とロープのある手前でだった。下山してきた人が「今4人のパーティの人に、度胸を出して浅間山に登ったら、とハツパをかけたばかり。」と笑って話していた。そして、その標識地点で目を凝らしてみると、途中で小生を追い越していった7、8人の人たちが浅間山の岩だらけの斜面を先へ進んでいた。前掛山の方へ右折している人は誰もいなかった。こういったことも心理的に安心感を与えてくれた。快晴。そして疲れた足は、まだかなりの距離があると思えた前掛山よりはるかに近く感じられる浅間山を選ばせた。小生は躊躇なく立ち入り禁止のロープを越えた。
 大小さまざまな黒色の火山岩が斜面を蔽い尽くしていて人の踏み跡も定かでないところが多々ある。霧の出ているとき、あるいは出そうなときは、小生みたいな素人は絶対に踏み込んではいけない世界だ、などと思いながら歩いた。
 火口壁のトップから眼前に広がる火口の姿は、ロマンチックなものでなく不気味なものだった。
 火口全体が色彩感に乏しい。覗くと火口底がはるか下の方にある。いたるところの噴気孔からガスが吹き上げている。そのせいかどうか、火口にガスが充満していて、対岸の火口壁もその姿がぼんやりとしていた。ただ、火山性振動や噴気孔の大きな音もないため恐怖感は少なかった。ただ風上に近い方角にもかかわらず、火口壁に立つと強い異臭が鼻をつく。有毒ガスは本人の意志とは関係なく、五体を麻痺させ、行動力を奪ってしまうそうなので長居は無用だ。火口壁からちょっと下ったところにある大きな岩のところで周囲を見渡した。
 天上には太陽が燦燦と輝き、雲ひとつなく、どこまでも青く透き通っていた。 富士山は火口壁の陰に入っていて見えなかった。八ヶ岳、そしてまだ残雪が多いい中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、焼岳、北アルプス、高妻、火打、妙高が180度近い視界に渡って厚い雲海の上を並んでいた。
 なんという絶景か。こんな幸運に恵まれる機会はそんなには多くないに違いない。
幸福感が心を一杯にする。
 下山後前掛山の方に足を伸ばしている元気な人たちが多かった。しかし浅間山を訪ねることができたという、十分な満足感と小生の疲れた足はそちらへ行こうとはしなかった。

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 この山域もまだ春は来たばかりだった。残雪は少なかったが、木々は新芽が萌え出したばかりで草地はまだ枯葉が覆っていた。ただそんななかで、道端の陽だまりにショウジョウバカマがピンク色の花を咲かせ、新葉と蕾を持ったハクサンイチゲの株が何株かあった。一株は美しい白色の花を一輪咲かせていた。ミネザクラも花をつけはじめ、池の平と賽の河原にあるミネズオウの群落ではたくさん花が咲いていた。この花を始めてみた。こういう早い時期に咲く花だったのだ、と知った。

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昼食のため鋸岳の麓の三ツ石付近で休憩し始めた途端に両腿がひきつりはじめた。休憩地からJバンドをよじのぼり仙人岳にいたる間何度も何度もひきつった。そのたびに湿布薬のローションを塗った。今回は事前のウォーキング訓練などをせずにぶっつけ本番で臨んだ、当然の結果だったのだが、楽なコースだろうとたかをくくっていたのがいけなかった 。延べ歩行距離が約10キロとそれほどでもなかったのだがこのコースは、草すべり、Jバンドなどの起伏が多く、それが小生の足には厳しかったようだ。しかしJバンドは岩のぼりのスリルがあり、上りきった尾根からの浅間山と前掛山の眺望は非常に魅力的であった。そして下山時には素晴らしい眺望の感動の余韻とともにアクシデントを乗り越えた達成感をも感じていた。

【写真記録】
 ☆☆ 早春の浅間山[2010.05.28] ☆☆ 


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【今回以外の訪問時写真記録】
☆☆ 黒斑山からの浅間山[2016.2.11][車坂峠〜黒斑山] ☆☆
 ☆☆黒斑山の日本カモシカ[2012.2.4]  ☆☆ ☆☆その日本カモシカの拡大写真☆☆
☆☆ 黒斑山からの浅間山[2008.2.11][車坂峠〜黒斑山] ☆☆
☆☆ 黒斑山からの浅間山[2008.1.8][車坂峠〜黒斑山] ☆☆
☆☆ 前掛山登山[2007.12.2][浅間山荘〜前掛山] ☆☆
☆☆ 小浅間山からの浅間山[2007.10.21][峠の茶屋〜小浅間山] ☆☆





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