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八ヶ岳



【概要】


T所在地 長野県  
U訪問日時  平成21年【2009年】 7月 5日 ( 日曜日 ) 
V天候 曇り時々濃霧、微風 
W標高 T 最高峰 赤岳   [ 2,899.2m ]
 U今回訪問山岳最高峰 横岳 [ 2,825m ]
 X登下山コースと所要時間 桜平登山口(05:08)→≒2.7q→(06:37)オーレン小屋(06:53)→≒1.3q → (08:00)赤岩の頭(かしら)(08:00)→≒0 .4q →(08:32)硫黄岳(08:35)→≒1.9q→(10:05)横岳(10:25)→≒6.3q→ (13:46)桜平登山口
 * 上記ルート図
 * 表示距離についての注記
 Yその他 《1》登山口と横岳との標高差〜≒935m
 《2》日程〜 日帰り[前夜泊;桜平登山口]
 《3》同行者〜 単独


【詳細】


 長野県の佐久穂町に茂来山という山がある。標高は1、718メートル。八ヶ岳山塊のほぼ東側に位置している。その間約20キロの距離だ。
その茂来山におととしの11月と去年のお正月に2度訪れた。南北アルプスも遠望できたが、やはり目の前に聳え立つ八ヶ岳連峰の主峰達が主人公であった。当然のことながらいつか訪ねたいと切望していた。
北海道や九州などの遠場もひととおり訪ね終わったので今回早速に硫黄岳と横岳だけでも訪ねることにした。硫黄岳山荘さんのウェブのお花情報が、時は今、と激しく誘惑した。
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《 左赤岳、右横岳 》


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《 左赤岳、中央横岳、右硫黄岳 》


昨日の晩8時ごろ桜平の駐車場に着いた。
 遅かったせいか食欲もあまりなかったが簡単に少量の夕食をとった。このころ雨が降ってきたが、しばらくすると止んだ。ひとつ気になることが頭からはなれなかった。この駐車場に到着する10分くらい手前近くから車のライトで大きな花が何度かうっすらとうつった。最初はエッと思った。しばらくしてシャクナゲに違いない、と推測した。もしかしたらこの辺に沢山のシャクナゲの木があるのじゃないか?という想像であった。
 夜中に目覚めて夜空を見上げたが星は見えなかった。

 稜線や山頂からの眺望はガスのため良くはなかった。でも予想通り、というか万一の期待しかなかったからガッカリはしなかった。それでも赤岳、阿弥陀岳、硫黄岳、横岳などの周囲の山々やお目当ての爆裂火口跡をガスに時々邪魔されながらも見られたのは幸運であった、と思う。横岳山頂から見た赤岳山頂への鋭角的な稜線は魅力的であった。また、残雪も意外と少ないように感じた。赤岳、阿弥陀岳を後日訪ねたい想いをいっそう強くした。
 横岳山頂からの帰途硫黄岳の山頂標識からチョット北側に数歩歩いてみると、そこは残った火口壁の縁の丁度真ん中辺の真上から火口底を覗き込むような位置であった。反対側の火口壁の一部が吹き飛ばされて、そこから溶岩流が流れ下ったさまが想像された。規模き大きくないにしてもスゴイ迫力だ。

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〈 爆裂火口跡 〉
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〈 横岳山頂から左赤岳、右阿弥陀岳 〉


今回の赤岩の頭から横岳までの間の稜線とその斜面に咲き競う草花たちには満足した。ツクモグサはもう終わりキバナシャクナゲやコマクサも時期的にはチョット早すぎたけれど綺麗に咲いているのもあった。ここの自然環境の厳しさは平地に住む人間の想像を絶する峻烈なものに違いないのだ。でも、そんなことには一言の愚痴もこぼさずに、この時期生命の歓びの讃歌を歌っているようだ。硫黄岳山荘の屋根には大きな石がゴロゴロ置いてあった。屋根が吹き飛ばされる不安などでなく、むしろ小屋が根こそぎ吹き飛ばされてしまうような恐怖心を持つほどの烈風がそうさせるのではないか、と勝手に想像したのだが、そんな想像をして横岳に向かってしばらくすると斜面がガレ場の一角があった。そこは暴風雨や灼熱の太陽熱から身を守ってくれるモノは何一つない世界と思われた。当然のことのようにチョット見には一木一草もないふうに見えた。でもよくよく見ると小さな緑色のかたまりが点々とあるではないか。目を凝らしてみるとコマクサだ。何を好き好んでこんなところで命をはぐくもうとするのだろうか。何を気に入ったのか。不思議ダ。小生には神秘的だった。
始めて見たコマクサ、ウルップソウ、ミヤマシオガマ、オヤマノエンドウなどはそれぞれがみな色彩感あふれていてひきつけられた。
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 シャクナゲは小生の好きな花のひとつだ。かつて瑞牆山甲武信岳のアズマシャクナゲに酔った者にとってひとつ頭を悩ませたことができてしまった。帰り道に桜平周辺で目にした物は、昨晩想像したとおりにシャクナゲであった。それはそれは見事な大木の群落であつて、素晴らしいその絢爛豪華さに圧倒され、息を呑むほどであつた。こういう予期もしてなかった好きな花との出合は嬉しいものだ。花の色が白っぽかったからハクサンシャクナゲなのだろう、と容易に同定できた。待てよ、今日山頂で見てきたばかりのシャクナゲも「黄色」でなくどちらかといえば「白色」に近い色だった気がする。だとすると「キバナ」でなく「ハクサン」ではないのかと。硫黄岳山荘のホームページでも写真のキバナシャクナゲとして紹介されている写真の花の色も白っぽい。花図鑑をもう一度見直してみた。図鑑のキバナシャクナゲの写真の花の色は間違いなく黄色だ。花色として「淡黄色」とあった。そして説明文の他の箇所に「白花の変種はゴシキシャクナゲ………とよばれる。」とあった。また「ゴシキシャクナゲ」の命名者の解説文が識別に大いに役にたった。だから小生が今日見たのは厳密には本家「キバナシャクナゲ」でなく分家「ゴシキシャクナゲ」だったのかもしれない。
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〈硫黄横岳稜線山のシャクナゲ〉

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<桜平のシャクナゲ〉
 
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<参考;大雪山姿見平のシャクナゲ(2008.7.14撮影)〉

そしてシラビソ林も思い出に残ったひとつだった。谷川沿いのある所では林床が苔むして原生林の趣きをかもし出していたし、オーレン小屋から赤岩の頭への登山道の両側はすっくと立ち並んだシラビソの純林の整然とした美しさとその林床がその子供たちの幼木で一面に埋め尽くされているさまにも心惹かれた。
 どこの山でも必ずウグイスが元気に鳴いているのに、今日は聞くことがなかった。珍事だった。そのかわり小生の知らない2、3種類の鳥達が耳を楽しませてくれた。  

【写真記録】


  ☆☆ 花の宴  ☆☆ 




【再訪問時記録】


 ☆☆ 2017.6.16 硫黄岳☆☆ 

 ☆☆ 2013.10.28 赤岳☆☆ 

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